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ウクライナのクリスマス(Різдво́)

2026年10月30日

ウクライナの国の祝日としてのクリスマスは、2023年から12月25日だけです。それまでは、1月7日と12月25日の両方が祝日でした。国の祝日が変わったのは、同じ2023年に、ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会(УГКЦ)と、2018年にできたウクライナ正教会(ПЦУ)が暦を改め、クリスマスを12月25日に祝うと決めたからです。教会では、クリスマスだけでなく、日付の決まった祝日がそろって13日早くなりました。

祝日が12月25日になるまで

2017年からは、1月7日と12月25日のどちらもクリスマスの祝日でした。2023年6月末、大統領が労働法典第73条を改める法案(第9431号)を議会に出しました。最高会議(Верхо́вна Ра́да)は7月14日に241票でこれを可決し、大統領が7月28日に署名しました。

この法律で、クリスマスの祝日は12月25日だけになり、1月7日は祝日から外れました。同じ法律で、ウクライナ国家の日は7月28日から7月15日に、ウクライナ防衛者の日は10月14日から10月1日に移りました。ただし、2022年2月からの戒厳令のあいだは祝日も休みにならず、12月25日も多くの職場では平日と同じです。

教会の暦の切り替え

ウクライナ正教会は、2023年5月24日の主教会議で、修正ユリウス暦(новоюліа́нський календа́р)に移ることを決めました。修正ユリウス暦は、2800年までは日本で使っているグレゴリオ暦と同じ日付になる暦です。移ったのは、教会の1年が始まる2023年9月1日です。ギリシャ・カトリック教会は、それより前の2023年2月1〜2日の会議で、9月1日から日付の決まった祝日を新しい暦で祝うと決めていました。

復活祭(Вели́кдень)は毎年日付が変わる祝日で、どちらの教会もその日の決め方は変えていません。

日付が移った祝日、移らなかった祝日

日付の決まった祝日は、どれも13日早くなりました。

日付が移った祝日、移らなかった祝日
祝日移る前の日付2023年9月からの日付
Святи́й Микола́й(聖ニコライの日)12月19日12月6日
Святве́чір(クリスマス・イブ)1月6日12月24日
Різдво́ Христо́ве(クリスマス)1月7日12月25日
Водо́хреще(神現祭)1月19日1月6日

聖ニコライの日は、子どもが贈り物をもらう日です。Святве́чірの夜には、肉や乳製品を使わない料理を12品並べたСвята́ вече́ряを家族で囲むのが習わしです。

復活祭のВели́кденьと、復活祭から数えて50日目のТрі́йця(聖霊降臨祭)は、移っていません。Трі́йцяは復活祭の日から決まり、その復活祭の計算の仕方が変わっていないからです。

クリスマスの言葉

クリスマスの言葉
ウクライナ語意味
Різдво́クリスマス
Святве́чірクリスマス・イブ
Свята́ вече́ряイブの夕食
кутя́クチャ(麦とけしの実と蜂蜜の料理)
узва́рウズヴァール(干した果物を煮た飲み物)
коляда́コリャダ(クリスマスの歌と祝い)
коля́дкаクリスマスの歌
колядува́ти家々を回ってクリスマスの歌を歌う
щедрі́вка新年の歌
Ще́дрий ве́чір新年の前の晩
верте́пキリスト降誕を演じる人形劇や芝居
діду́хジドゥーフ(麦の穂を束ねたクリスマスの飾り)
зі́рка星
яли́нкаクリスマスツリー
Нови́й рік新年
Святи́й Микола́й聖ニコライ
Водо́хреще神現祭
Вели́кдень復活祭
Трі́йця聖霊降臨祭
календа́р暦
піст肉や乳製品を断つ期間
Христо́с народи́вся!キリストがお生まれになりました(クリスマスのあいさつ)
Сла́вімо Його́!キリストをたたえましょう(あいさつへの返事)

クリスマスの時期には、Христо́с народи́вся!(キリストがお生まれになりました)とあいさつし、言われた人はСла́вімо Його́!(キリストをたたえましょう)と答えます。

「シチェドリク」とCarol of the Bells

Ще́дрикは、新年の歌(щедрі́вка)の1つを、作曲家ミコラ・レオントーヴィチ(Мико́ла Леонто́вич)が合唱曲にしたものです。1916年にキーウで初めて歌われました。オレクサンドル・コシツ(Олекса́ндр Ко́шиць)の合唱団が1919年からヨーロッパを回り、1922年10月5日にはニューヨークのカーネギー・ホールで歌いました。1936年に、アメリカの作曲家ピーター・ウィルホウスキー(Петро́ Вільго́вський)が英語の歌詞を付けてから、この曲はCarol of the Bellsとして知られるようになりました。日本でクリスマスに聞くことのある曲です。

ロシアとの違い

ロシアでは、今もクリスマスは1月7日です。ロシアの労働法典第112条は、1月7日をクリスマスの祝日、1月1〜6日と8日を新年の休日としています。国の祝日では、2023年からウクライナとロシアでクリスマスの日付が違います。ただ、ウクライナには、モスクワ総主教庁系のウクライナ正教会(УПЦ)という別の教会もあり、この教会と、古い暦を続けると決めた教会は、今も1月7日に祝います。

参考にした資料

  1. 格(відмі́нок)日本語の助詞にあたる働きを語尾で示す、ウクライナ語の7つの格が分かります。
  2. ウクライナ語ってどんな言葉?(украї́нська мо́ва)ウクライナ語の特徴と、このサイトで最初に読む記事が分かります。
  3. ウクライナの地名のカタカナ(Ки́їв・Оде́са)キエフがキーウになった理由と、オデーサやハルキウの今の書き方が分かります。
  4. ウクライナ語のレベルとCEFRウクライナ語の力をCEFRのレベルで確かめる方法が分かります。