本文へ

ウクライナ語ってどんな言葉?(украї́нська мо́ва)

2026年10月19日(更新:2026年10月22日)

ウクライナ語は、ウクライナで話されている言葉です。ロシア語やベラルーシ語と同じ東スラヴ語の仲間で、キリル文字で書きます。ロシア語とよく似ていますが、使う文字の一部や発音、単語に違いがあります。

ウクライナでの使われ方

ウクライナ語は、ウクライナの公用語です。憲法の第10条が、そう定めています。2019年の法律では、役所の仕事や学校の授業、店での接客は、原則としてウクライナ語で行うことになっています。

文字と発音

文字は33文字で、つづりと発音の対応には規則があります。読み方を覚えれば、知らない単語も、ほぼ書いてあるとおりに読めます(キリル文字)。アクセントの位置は単語ごとに違うので、このサイトでは2音節以上の単語にアクセント記号を付けています(アクセント)。

文法

ウクライナ語の文法には、日本語と違うところがいくつもあります。例えば、日本語では「本が」「本を」のように、名詞のあとに「が」や「を」を付けて、文の中での役割を表します。ウクライナ語では、名詞の語尾を変えて、同じことを表します(格とは)。人の名前も、呼びかけるときは「オクサナ」が「オクサノ」になるように、形が変わります(呼格)。

動詞では、「読む」にあたるものが2つあり、読んでいる途中か、読み終えたかで使い分けます(アスペクト)。

このサイトのウクライナ語

このサイトは、ウクライナ語の標準語(літерату́рна мо́ва)で書いています。標準語は主にポルタヴァとキーウの方言をもとにしていて、学校で教えるのも標準語です。つづりは、2019年に改訂された正書法(Украї́нський право́пис)に合わせています。2026年3月1日には、ウクライナ語の基準を定める国の委員会が、この正書法を基準として承認しました。承認されたのは、表記の規則を変えずに編集し直した版です(2019年の正書法改訂)。

ロシア語との違い

ウクライナ語とロシア語は、文字も文法も似ていますが、読むときに目立つ違いが3つあります。

  • 使う文字が違います。ウクライナ語にはі・ї・є・ґがあり、ロシア語のы・э・ё・ъは使いません(キリル文字)。
  • アクセントのないоも、オと読みます。ロシア語のようにアに変わることはなく、фо́то(写真)は最後のоもオです(母音字)。
  • 語末の子音も、書いてあるとおりに読みます。ロシア語では語末のбが[п]になりますが、ウクライナ語ではхліб(パン)の最後もбのままです(子音の同化)。

ロシア語を学んだことがある人は、似ている点と違う点を分けて覚えておくと、取り違えにくくなります。単語やгの音の違いも含めた全体は、ウクライナ語とロシア語の違いにあります。

地名の呼び方にも、2つの言葉の違いが表れます。日本政府は2022年3月31日に、ウクライナの首都の呼び方を、ロシア語の読み方にもとづく「キエフ」から、ウクライナ語の読み方にもとづく「キーウ」に変えました。

このサイトの使い方

  1. はじめに、文字と発音のシリーズを順に読んでください。この記事を入れて10記事で、次はキリル文字です。
  2. 次に、文法の記事を順に読んでください。「AはBです」の基本的な文から始まります。
  3. 記事で学んだことは、穴埋めとアクセントの練習で復習できます。

このサイトで扱う範囲

このサイトの文法の記事には、入門(A1)か初級(A2)のタグが付いています。A1とA2は、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のレベルです。最初は入門のタグが付いた記事から読んでください。

参考にした資料

  1. キリル文字(алфаві́т)33文字の呼び方と、ラテン文字に似て読み間違える字が分かります。
  2. 子音字(при́голосні)のどの奥で出す音の読み分けと、位置で変わるвの音が分かります。
  3. 軟音記号とアポストロフィ(ь と ’)ьが子音を軟らげる働きと、’が子音と母音を分ける働きが分かります。
  4. 正書法(право́пис)ц ж ш ч щ のあとのつづりと、ь の置けない位置が分かります。