子音字(при́голосні)
2026-10-06
子音字は22文字あります。日本語の子音とほぼ同じものが多く、б д з к м н п с т цは、カナのはじめの音と考えて読めます。つまずくのは、г ґ хの3つと、位置で音が変わるв、日本語にないж ш ч щ、р лです。
子音字とは
子音字は、単独では読まず、母音字とつないで読みます。母音字なしでは音節になりません。
| 字 | 音の目安 | 例 |
|---|---|---|
б | バ行のはじめの音 | бабу́ся(祖母) |
д | ダ行のはじめの音 | друг(友人) |
з | ザ行のはじめの音 | за́втра(明日) |
к | カ行のはじめの音 | кни́жка(本) |
м | マ行のはじめの音 | молоко́(牛乳) |
н | ナ行のはじめの音 | наш(私たちの) |
п | パ行のはじめの音 | парк(公園) |
с | サ行のはじめの音 | су́мка(かばん) |
т | タ行のはじめの音 | телеві́зор(テレビ) |
ф | 上の歯を下唇に当てるフ | фо́то(写真) |
ц | ツのはじめの音 | це(これ) |
гとґとх
3つの音の差は、のどの奥の使い方です。
| 字 | 音 | 例 |
|---|---|---|
| г | のどの奥で摩擦させる有声の「は」 | газе́та(新聞) |
| ґ | ガ行のはじめの音 | ґа́ва(カラス) |
| х | のどの奥から強く息を出す無声の「ハ」 | хліб(パン) |
гは日本語のハ行よりも奥で出す有声音で、хはその無声の対です。この教材では、ハ行の仮名のうち、гを平仮名の「は」、хを片仮名の「ハ」で区別することがあります。ґはウクライナ語で独自の字ですが、使われる単語は多くありません。
в
вは、位置によって音が違います。
- 母音字の前: 唇どうしを寄せ、息を通して出す「ヴ」。мо́ва(言語)
- 子音字の前と語末: 日本語の「ワ」のはじめの音に近い「ウ」。словни́к(辞書)、любо́в(愛)
ж・ш・ч・щ
日本語にない音です。жとшは、日本語のジやシより、舌を後ろに引いて出します。чは唇を少し突き出して、日本語の「チ」より舌の奥を上げます。
| 字 | 音の目安 | 例 |
|---|---|---|
ж | 舌を後ろに引いたジュ | жи́ти(住む、生きる) |
ш | 舌を後ろに引いたシュ | зо́шит(ノート) |
ч | 舌の奥を上げたチュ | чай(茶) |
щ | 「シチ」の2つの音 | ща́стя(幸せ) |
шとщは形が似ています。右下の「しっぽ」があるのがщで、щはшとчを続けた2つの音を表します。ща́стя(幸せ)のはじめの音は、「シ」と「チ」を短く続けたものです。
2字で1音のдзとдж
дзは日本語の「ヅ」のはじめの音で、無声のцの有声版です。джは唇を少し突き出して出す「ぢゅ」に近い音で、無声のчの有声版です。どちらも2字で1つの音です。
- дзво́ник(ベル)
- бджола́(ミツバチ)
щは1字で2つの音、дз джは2字で1つの音で、数え方がちょうど逆です。
рとл
рは舌をふるわせる巻き舌です。ру́чка(ペン)のрがそれです。ラ行のように弾くのではなく、音声を聞いて確かめます。
лは巻き舌ではなく、舌先を上の歯の裏に付けて出します。люби́ти(愛する)のлがそれです。
日本語との違い
日本語のハ行は、のどの奥で出すгとхを区別しません。гとхをどちらも「ハ」で書くと、有声と無声の差が仮名から消えます。聞き分けは、カナではなく音声で身に付けます。
もう1つは、вです。日本語に、位置で「ヴ」と「ウ」に分かれる字はありません。словни́кのвは、ヴではなくウです。
練習問題
正しいものを選んでください。
- 日本語の「ガ」のはじめの音を表す字は(
г/ґ/х)です。 - любо́вの
вは( ヴ / ウ / ブ )と読みます。 - 2字で1つの音を表すのは(
дз/щ/ш)です。
答え
ґ(гは有声の「は」、хは無声の「ハ」)- ウ(語末の
в) дз(щは1字で2つの音)
参考にした資料
- 黒田龍之助『初級ウクライナ語文法』三修社、2017年、pp.7–10「Г г」「Ґ ґ」「Ш ш」「Щ щ」「В в」「Дз дз」「Дж дж」
- オクサーナ・ピスクノーヴァ『ゼロからスタート ウクライナ語 文法編』Jリサーチ出版、2023年、文字と発音編 Урок 3「子音」(pp.14–17)