過去形(чита́в, чита́ла)
2026-10-06
- 文法
- 入門
過去形は、すでに終わったことを表す動詞の形です。ウクライナ語の過去形は、主語が「私」か「彼」かでは変わらず、主語の性と数で語尾が変わります。語尾は4つしかありません。入門の範囲では、不定詞から過去形を作る規則と、бу́ти「ある・いる」の過去形を押さえれば足ります。
使う場面
昨日したこと、前にいた場所、以前の様子を言うときに使います。
- Вчо́ра я до́вго чита́в.(昨日、私は長い間、本を読んでいました)
- Ма́ма була́ вдо́ма.(母は家にいました)
「〜していました」と「〜しました」は、同じ形で表します。ウクライナ語の動詞には、英語のような進行形がありません。
作り方
辞書の見出しの形を不定詞といい、-ти で終わります。過去形は、不定詞の -ти を取り、主語の性と数に合わせた語尾を付けます。色の付いた部分が過去形の語尾です。
| 元の形 | 過去形 | 日本語 |
|---|---|---|
| чита́ти(読む・男性の主語) | чита́в | (彼は)読んだ |
| чита́ти(読む・女性の主語) | чита́ла | (彼女は)読んだ |
| чита́ти(読む・中性の主語) | чита́ло | (それは)読んだ |
| чита́ти(読む・複数の主語) | чита́ли | (彼らは)読んだ |
| бу́ти(ある・いる・男性の主語) | був | (彼は)いた |
| бу́ти(ある・いる・女性の主語) | була́ | (彼女は)いた |
| бу́ти(ある・いる・中性の主語) | було́ | (それは)あった |
| бу́ти(ある・いる・複数の主語) | були́ | (彼らは)いた |
単数の主語には、男性なら в、女性なら ла、中性なら ло を付けます。複数の主語には、男性・女性・中性の区別なく ли を付けます。名詞がどの性かは、名詞の性の記事で説明しています。
主語が я や ти のときは、話している人や話しかけている相手の性で語尾を選びます。男性なら я чита́в、女性なら я чита́ла です。ми、ви、вони́ はいつも複数の形で、ми чита́ли のようになります。丁寧な「あなた」の Ви も、1人の相手でも複数の形を使います。人称代名詞の使い分けは、人称代名詞の記事で説明しています。
アクセントは、多くの動詞で不定詞と同じ位置のままです(чита́ти → чита́в、чита́ла)。бу́ти は例外で、女性・中性・複数ではアクセントが語尾に動きます(був、була́、було́、були́)。ほかに、могти́「できる」の過去形 міг のように、不規則な形になる動詞もあります。
語末の -в は「ヴ」ではなく、短い「ウ」のように発音します(чита́в は「チターウ」)。読み方は子音字の記事で説明しています。
日本語・英語とくらべると
日本語の「読みました」は、主語が誰でも同じ形です。英語の read(過去)も、主語で形が変わりません。ウクライナ語の過去形は、人称では変わらない点が日本語や英語と同じですが、主語の性と数で語尾が変わります。また、英語の I read と I was reading は、ウクライナ語ではどちらも я чита́в(話し手が女性なら я чита́ла)の1つで足ります。
例文
各文の下に、単語の形を書きます。
- Вчо́ра я до́вго чита́в.(昨日、私は長い間、本を読んでいました)
- вчо́ра → 「昨日」を表す副詞(形は変わらない)。
- я → 主格の人称代名詞(1人称単数)。話し手は男性。
- до́вго → 「長い間」を表す副詞(形は変わらない)。
- чита́в → чита́ти の過去形(男性・単数)。
- Окса́на до́бре співа́ла.(オクサナは上手に歌いました)
- Окса́на → 主格の名詞(女性・単数)。主語。
- до́бре → 「上手に」を表す副詞(形は変わらない)。
- співа́ла → співа́ти の過去形(女性・単数)。
- Ми вчо́ра працюва́ли.(私たちは昨日働きました)
- ми → 主格の人称代名詞(1人称複数)。
- вчо́ра → 「昨日」を表す副詞(形は変わらない)。
- працюва́ли → працюва́ти の過去形(複数)。
- Та́то був тут.(父はここにいました)
- та́то → 主格の名詞(男性・単数)。主語。
- був → бу́ти の過去形(男性・単数)。
- тут → 「ここに」を表す副詞(形は変わらない)。
- Ма́ма була́ вдо́ма.(母は家にいました)
- ма́ма → 主格の名詞(女性・単数)。主語。
- була́ → бу́ти の過去形(女性・単数)。アクセントは語尾に動く。
- вдо́ма → 「家で」を表す副詞(形は変わらない)。
- Це було́ ду́же ціка́во.(それはとても面白かったです)
- це → 「それ」を表す語。主語になると、動詞は中性の形。
- було́ → бу́ти の過去形(中性・単数)。
- ду́же → 「とても」を表す副詞(形は変わらない)。
- ціка́во → 「面白い」を表す副詞(形は変わらない)。
- Ви вже відпочива́ли?(あなたはもう休みましたか)
- Ви → 主格の人称代名詞(丁寧な「あなた」)。
- вже → 「もう」を表す副詞(形は変わらない)。
- відпочива́ли → відпочива́ти の過去形(複数)。1人の相手でも Ви には複数の形を使う。
練習問題
正しいものを選んでください。
- Ма́ма вчо́ра( працюва́в / працюва́ла / працюва́ли ).
- Ми( був / була́ / були́ )вдо́ма.
- Та́то до́бре( співа́в / співа́ла / співа́ло ).
答え
- працюва́ла(主語 ма́ма は女性なので -ла)
- були́(主語 ми は複数なので -ли。бу́ти はアクセントが語尾に動く)
- співа́в(主語 та́то は男性なので -в)
参考にした資料
- 中澤英彦『ニューエクスプレス ウクライナ語』白水社、2009年、p.32「不定詞と動詞の過去形」、p.33のアクセントが動く動詞の説明
- kaikki.org Ukrainian dictionary: бути(2026-10-06閲覧)過去形の4つの語形(був、була́、було́、були́)。ほかの動詞の過去形も同じ辞書の各見出しで確認