「AはBです」の文(Я япо́нець)
2026-10-06
- 文法
- 入門
ウクライナ語で「AはBです」と言うときは、AとBを続けて言うだけです。今のことを言う文では、英語の be 動詞のような「です」に当たる語を使いません。a や the に当たる冠詞もありません。疑問文は語順を変えずに声の上げ下げで作り、否定は打ち消す語の前に не を置きます。入門の範囲では、この平叙文・疑問文・否定の答え方と、対比の а を押さえれば足ります。
使う場面
自己紹介で国籍や職業を言うとき、相手に「〜ですか」と尋ねるとき、「はい」「いいえ」で答えるときに使います。動詞を覚える前から、名詞と代名詞だけで会話ができます。
- Я япо́нець.(私は日本人です)
- Він тако́ж япо́нець.(彼も日本人です)
男性は япо́нець・студе́нт、女性は япо́нка・студе́нтка のように、話す人や話題の人が女性なら女性の形を使います。名詞の性は名詞の性の記事で説明しています。
作り方
| 文の型 | 例 | 日本語 |
|---|---|---|
| 平叙文(AとBを並べる) | Я студе́нт. | 私は学生です |
| 疑問文(声の上げ下げだけ) | Ти япо́нець? | 君は日本人ですか |
| 疑問文(文頭に чи) | Чи ти япо́нець? | 君は日本人ですか |
| 肯定の答え | Так, я япо́нець. | はい、私は日本人です |
| 否定の答え | Ні́, я не япо́нець. | いいえ、私は日本人ではありません |
| 対比(а) | Він — украї́нець, а я — япо́нка. | 彼はウクライナ人で、私は日本人です |
平叙文は、最後の語のアクセントがある母音のところで、声をはっきり下げて言います。
疑問文は、平叙文と同じ順に語を並べ、書くときは最後のピリオドを「?」に変えます。声は、尋ねたい語のアクセントがある母音だけを高くします。文の初めに чи を置くと、質問だとはっきり分かります。чи は日本語の「〜か」に近い語ですが、文の終わりでなく初めに来ます。
答えは、肯定なら Так、否定なら Ні́ で始めます。そのあとに文を続けても、短く切っても構いません。
- Так, япо́нець. / Япо́нець. / Так.(はい、そうです)
- Ні́, не япо́нець. / Не япо́нець. / Ні́.(いいえ、違います)
не は、打ち消したい語のすぐ前に置きます。не とその次の語は、間を空けずに1語のように発音します。
а は「一方〜は」「それに対して」と、2つのことを比べるときや話題を変えるときに使います。会話では、話を続けるためによく出てきます。AとBを並べるだけの文で、Aを強めたいときや対比をはっきりさせたいときは、2つの語の間に「—」(ダッシュ)を書きます。
日本語・英語とくらべると
日本語の「です」、英語の am・is・are に当たる語は、今のことを言う文には出てきません。英語の a・the もないので、「私は学生です」は Я студе́нт. の2語で言えます。
日本語は「ですか」「ではありません」と文の終わりで質問や否定を表します。ウクライナ語は、質問の чи を文の初めに、否定の не を打ち消す語の前に置きます。英語の Are you …? のように語順を入れ替えることもありません。
例文
各文の下に、それぞれの語の働きを書きます。
- Я япо́нець.(私は日本人です)
- я → 人称代名詞「私」。1人称単数。
- япо́нець → 名詞「日本人」。男性・単数。「です」に当たる語なしで続ける。
- Вона́ китая́нка.(彼女は中国人です)
- вона́ → 人称代名詞「彼女」。3人称単数・女性。
- китая́нка → 名詞「中国人の女性」。女性・単数。
- Ти украї́нець?(君はウクライナ人ですか)
- ти → 人称代名詞「君」。2人称単数。
- украї́нець → 名詞「ウクライナ人」。男性・単数。語順は平叙文と同じで、アクセントのある ї だけを高く言う。
- Чи Ви кита́єць?(あなたは中国人ですか)
- чи → 質問だと示す語。文の初めに置く。
- Ви → 人称代名詞「あなた」。ていねいに1人の相手を指すときは大文字で書く。
- кита́єць → 名詞「中国人」。男性・単数。
- Ні́, я не студе́нт.(いいえ、私は学生ではありません)
- ні́ → 「いいえ」。否定の答えの初めに置く。
- не → 打ち消しの語。打ち消す студе́нт の前に置く。
- студе́нт → 名詞「学生」。男性・単数。
- Так, я тако́ж япо́нка.(はい、私も日本人です)
- так → 「はい」。肯定の答えの初めに置く。
- тако́ж → 「〜も」。
- япо́нка → 名詞「日本人の女性」。女性・単数。
- Ма́ма — украї́нка, а та́то — япо́нець.(母はウクライナ人で、父は日本人です)
- ма́ма → 名詞「母」。女性・単数。
- а → 「一方〜は」。母と父を比べる。
- та́то → 名詞「父」。男性・単数。
- ダッシュ「—」→ 対比をはっきりさせるためにAとBの間に書く。
練習問題
正しいものを選んでください。
- — Чи Ви студе́нтка? —( Так / Ні́ / А ), я студе́нтка.
- Ні́, я( не кита́єць / кита́єць не / ні́ кита́єць ).
- Він япо́нець,( а / чи / не )вона́ украї́нка.
答え
- Так(あとに「私は学生です」と続くので肯定)
- не кита́єць(не は打ち消す語の前に置く)
- а(彼と彼女を比べる)
参考にした資料
- 中澤英彦『ニューエクスプレス ウクライナ語』白水社、2009年、p.20〜21「第1課」の会話と単語、p.22〜23の平叙文「AはBです」、疑問詞のない疑問文、肯定と否定の答え方、対比の接続詞 а