ウクライナ語の あいさつ (привіта́ння)
2026年10月20日
ウクライナ語のあいさつは、相手が「ти」で話す親しい人か、「Ви」で話す相手かで選びます。「こんにちは」にあたる До́брий день は、ふつうの場面でも改まった場面でも使えます。親しい人には Приві́т と言います。お礼は Дя́кую、「どうぞ・お願いします」は Будь ла́ска です。
相手で 選ぶ:ти と Ви
あいさつの丁寧さは、相手を呼ぶ代名詞に合わせます。ти は友人、子ども、動物のように、気を使わなくてよい相手に使い、それ以外の相手には Ви を使います(中澤『ニューエクスプレス ウクライナ語』p.32)。詳しくは人称代名詞の記事にあります。
あいさつの形も、この2つで分かれます。「すみません」にあたる ви́бачте や、「じゃあ、失礼します」にあたる бува́йте は、命令形の複数形で、Ви に使う形です。ти に使う単数形は、ви́бач と бува́й です。
会った ときの あいさつ
| ウクライナ語 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| До́брий день | こんにちは | 出会いの場面と手紙で使う標準的なあいさつ。親しい人にも、初対面の人にも使える |
| До́брого ра́нку | おはようございます | 朝のあいさつ。До́брий ра́нок という形もある |
| До́брий ве́чір | こんばんは | 夕方から夜のあいさつ |
| Приві́т | やあ、こんにちは | 友人や知り合いへのくだけたあいさつ |
| Віта́ю | こんにちは、おめでとう | 「こんにちは」と「おめでとう」の両方に使う |
До́брий день は、Goroh(СУМ-11)が、出会ったときと手紙でのあいさつとして説明しています。中澤は、До́брого ра́нку(おはよう)、До́брий день(こんにちは)、До́брий ве́чір(今晩は)を基本表現として並べています。
Приві́т は、СУМ-11 が友人や知り合いへのあいさつとしています。初対面の目上の人には До́брий день のほうが無難です。
Віта́ю は、会ったときのあいさつにも、お祝いの言葉にも使われます。お祝いのときは、「おめでとうございます」にあたります。
別れる ときの あいさつ
| ウクライナ語 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| До поба́чення | さようなら | 標準的な別れのあいさつ。初対面の人にも使える |
| До зу́стрічі | また会いましょう | До поба́чення と同じ意味の言い方 |
| На все до́бре | お元気で | 別れるときに「すべてがよくなるように」と言う |
| Бува́й | じゃあね | ти に使う、くだけた言い方 |
| Бува́йте | じゃあ、失礼します | Ви に使う形 |
| Па-па́ | バイバイ | くだけた話し言葉 |
| На добра́ніч | おやすみなさい | 夜、寝る前の別れ。Добра́ніч とも言う |
До поба́чення は、Goroh(СУМ-11)が定まった別れの言い方として載せています。成り立ちは「до」(〜まで)と「поба́чення」(会うこと)で、「会うまで」という意味です。
Па-па́ は、Wiktionary が「colloquial」(口語)としています。バイバイと同じように、親しい人や子どもに使います。
お礼と、 お願いの 言葉
| ウクライナ語 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| Дя́кую | ありがとう | お礼の基本の言い方 |
| Ду́же дя́кую | どうもありがとう | ду́же(とても)を足して強める |
| Будь ла́ска | どうぞ、お願いします | 頼むとき、物を渡すとき、お礼への返事 |
| Бу́дьте ласка́ві | どうぞ、お願いします(丁寧) | Ви に使う形(直訳は「親切でいてください」) |
| Про́шу | どうぞ | 丁寧な決まり文句。Будь ла́ска と同じ場面で使う |
Дя́кую は、Goroh(СУМ-11)が「感謝を表す語」と説明しています。
Будь ла́ска は意味が3つあります。頼むときの「お願いします」、物を渡すときの「どうぞ」、「ありがとう」への返事の「どういたしまして」です(Wiktionary)。Goroh は、頼み・誘い・申し出のときの丁寧な呼びかけの定まった形と説明し、Бу́дьте ласка́ві も同じ形として載せています。
Про́шу は、СУМ-11 が「будь ла́ска」にあたる決まり文句として、また小さな親切へのお礼への返事として載せています。Wiktionary はガリツィア地方の言い方という表示を付けています。
謝る、 声を かける
| ウクライナ語 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| Ви́бачте | すみません | Ви に使う。割り込むとき、呼びかけるとき |
| Ви́бач | ごめん | ти に使う |
| Перепро́шую | すみません | 人の話をさえぎるとき、迷惑をかけて謝るとき、道で声をかけるとき |
Перепро́шую は、Wiktionary の使い方の説明に、「人の話をさえぎるとき」「迷惑をかけて謝るとき」「通りで人に声をかけるとき」の3つの場面が挙がっています。
日本語との 違い
日本語の「こんにちは」「さようなら」は、1つの形で相手を選びません。ウクライナ語は、親しい相手かどうかで形が変わります。「こんにちは」は До́брий день と Приві́т、「さようなら」は До поба́чення と Бува́й、「ごめん」と「すみません」は Ви́бач と Ви́бачте です。
初めて会う人や、年上の人には、まず Ви と丁寧な形を使ったほうがよいです。相手が ти で話しかけてきたら、同じ形に合わせます。
練習問題
正しいものを選んでください。
- 初対面の大人に「こんにちは」と言うときは( Приві́т / До́брий день / Па-па )を選びます。
- ти で話す友人に「じゃあね」と言うときは( Бува́й / Бува́йте / До́брий ве́чір )を使います。
- 「ありがとう」への返事の「どういたしまして」は( Дя́кую / Ви́бачте / Будь ла́ска )です。
- 人の話をさえぎるときに使えるのは( На добра́ніч / Перепро́шую / До поба́чення )です。
答え
- До́брий день(Приві́т は親しい人向け)
- Бува́й(ти に使う形。Бува́йте は Ви に使う)
- Будь ла́ска(頼むときにも使う)
- Перепро́шую
参考に した 資料
- 中澤英彦『ニューエクスプレス ウクライナ語』白水社、2009年、p.21「慣用表現」(До́брого ра́нку、До́брий день、До́брий ве́чір、На добра́ніч)、p.32「人称代名詞」の ти・ви・Ви の使い分け
- Goroh: ДОБРИЙ ДЕНЬ, ПРИВІТ, ДО ПОБАЧЕННЯ, БУДЬ ЛАСКА, ДЯКУВАТИ, ПРОСИТИ(Тлумачний словник української мови, СУМ-11)(2026-10-20閲覧)ДОБРИЙ ДЕНЬ「Вітання при зустрічі, у листуванні」、ПРИВІТ「Уживається як вітання з друзями або знайомими」、ДО ПОБАЧЕННЯ「Усталена формула прощання」、БУДЬ ЛАСКА「Усталена форма чемного звертання при проханні, запрошенні, пропозиції」、ДЯКУВАТИ「Уживається як слово, яким виражають вдячність」、ПРОСИТИ「прошу́ і тільки про́шу (етикетна формула “будь ласка”, а також як відповідь на подяку за незначну послугу)」
- Wiktionary(英語版)Ukrainian: привіт, добрий ранок, доброго ранку, добрий вечір, вітаю, до зустрічі, бувай, бувайте, па-па, на все добре, на добраніч, добраніч, дякую, будь ласка, прошу, вибачте, вибач, перепрошую(2026-10-20閲覧)意味と、informal・colloquial・Galician の表示、перепрошую の使い方の説明