数詞と名詞の結合(оди́н・два・п’ять)
2026-10-08
- 文法
- 初級
ウクライナ語では、数詞のあとに来る名詞の形が、数詞によって決まります。1のあとは単数の主格、2から4のあとは性によって複数の主格か単数の属格、5以上のあとは複数の属格です。оди́н と два は、名詞の性に合わせて形も変わります。初級の範囲では、1から22までの数詞と、この3通りの結び方を押さえれば足ります。
使う場面
物や人の数を言うときに使います。日本語の「切符が2枚」「兄弟が3人」にあたる言い方で、数詞のあとに名詞を置きます。
- Тут оди́н квито́к.(ここに切符が1枚あります)
- Тут два квитки́.(ここに切符が2枚あります)
作り方
はじめに、1から22までの数詞を覚えます。右の列の序数詞は、「〜番目の」を表す形で、男性の形です。序数詞は形容詞と同じ変化をします。
| 数 | 基数詞 | 序数詞 |
|---|---|---|
| 1 | оди́н | пе́рший |
| 2 | два | дру́гий |
| 3 | три | тре́тій |
| 4 | чоти́ри | четве́ртий |
| 5 | п’ять | п’я́тий |
| 6 | шість | шо́стий |
| 7 | сім | сьо́мий |
| 8 | ві́сім | во́сьмий |
| 9 | де́в’ять | дев’я́тий |
| 10 | де́сять | деся́тий |
| 11 | одина́дцять | одина́дцятий |
| 12 | двана́дцять | двана́дцятий |
| 数 | 基数詞 | 序数詞 |
|---|---|---|
| 13 | трина́дцять | трина́дцятий |
| 14 | чотирна́дцять | чотирна́дцятий |
| 15 | п’ятна́дцять | п’ятна́дцятий |
| 16 | шістна́дцять | шістна́дцятий |
| 17 | сімна́дцять | сімна́дцятий |
| 18 | вісімна́дцять | вісімна́дцятий |
| 19 | дев’ятна́дцять | дев’ятна́дцятий |
| 20 | два́дцять | двадця́тий |
| 21 | два́дцять оди́н | два́дцять пе́рший |
| 22 | два́дцять два | два́дцять дру́гий |
21以上は、10の位の数詞に1の位の数詞を続けます。序数詞では、最後の数詞だけを序数詞にして、変化するのもその部分だけです(два́дцять пе́рша кни́га「21冊目の本」)。
数詞のうち、1と2は、あとに来る名詞の性と数で形が変わります。
- 数
- 1
- 男性
- оди́н
- 女性
- одна́
- 中性
- одне́
- 複数
- одні́
- 数
- 2
- 男性
- два
- 女性
- дві
- 中性
- два
- 複数
- —
1の複数形は、複数形しかない名詞と使います。2は、男性と中性が два、女性が дві です。
数詞のあとの名詞は、次の形になります。
| 数 | あとに来る名詞 | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 単数の主格 | оди́н квито́к(切符1枚)、одна́ гри́вня(1フリヴニャ) |
| 2〜4 | 男性は複数の主格 | три бра́ти(3人の兄弟) |
| 2〜4 | 女性・中性は単数の属格 | два мо́ря(2つの海)、чоти́ри гри́вні(4フリヴニャ) |
| 5〜20 | 男性・女性・中性とも複数の属格 | де́сять хвили́н(10分) |
2〜4のあとの男性名詞は、複数の主格です。ただし、アクセントは単数の属格と同じ位置に来ます。брат は、複数の主格が брати́、単数の属格が бра́та で、3のあとでは бра́ти と、単数の属格と同じ位置にアクセントがあります。
2〜4のあとの女性名詞と中性名詞は、単数の属格です。мо́ре は、単数の属格が мо́ря、複数の主格が моря́ で、2のあとでは мо́ря になります。
5〜20のあとは、性に関係なく複数の属格です。хвили́на の複数の属格は хвили́н、гри́вня の複数の属格は гри́вень で、語尾がなくなる形です。複数の属格の作り方は、名詞の複数形の格変化の記事で説明しています。複数の主格の作り方は、名詞の複数形の記事で見ました。
21以上は、数字の末位(一の位)が名詞の形を決めます。21のあとは1と同じで、単数の主格です。4と54は、どちらも末位が4なので、あとに来る名詞は単数の属格です。
| 数 | あとに来る名詞 | 例 |
|---|---|---|
| 21 | 単数の主格 | два́дцять оди́н квито́к(切符21枚) |
| 4 | 単数の属格(女性) | чоти́ри гри́вні(4フリヴニャ) |
| 54 | 単数の属格(女性) | п’ятдеся́т чоти́ри гри́вні(54フリヴニャ) |
女性・中性の кни́ги、гри́вні は、複数の主格と同じつづりですが、この記事は教科書に合わせて単数の属格と呼びます。中性の мо́ре では、2〜4のあとの мо́ря が単数の属格の形で、複数の主格 моря́ とはアクセントが違います。
数詞のあとの格が属格になる点は、属格の記事で見た「〜の」とは別の使い方です。
日本語・英語と比べると
日本語は、「切符が2枚」「兄弟が3人」のように、数詞のあとに「枚」「人」などの助数詞を付け、名詞の形は変えません。英語は、1のあとは単数(one ticket)、2以上は複数(two tickets)の2通りです。ウクライナ語は、数に応じて名詞の形が3通りに分かれ、名詞の性も関係します。1・2のように数詞も性で形が変わる点は、日本語にも英語にもありません。
例文
- Тут оди́н квито́к і одна́ кни́га.(ここに切符が1枚と、本が1冊あります)
- тут → 「ここに」を表す副詞。
- оди́н → 数詞の男性の形。квито́к が男性。
- квито́к → 主格の名詞(男性・単数)。1のあとは単数の主格。
- одна́ → 数詞の女性の形。кни́га が女性。
- кни́га → 主格の名詞(女性・単数)。1のあとは単数の主格。
- Тут два квитки́ і дві кни́ги.(ここに切符が2枚と、本が2冊あります)
- два → 数詞。квитки́ が男性なので два。
- квитки́ → 複数の主格。2〜4のあとの男性名詞。
- дві → 数詞の女性の形。кни́ги が女性。
- кни́ги → 単数の属格。2〜4のあとの女性名詞は単数の属格で、-а を -и に変える。
- Тут три бра́ти, а там два хло́пці.(ここに兄弟が3人、あそこに少年が2人います)
- три → 数詞。
- бра́ти → 複数の主格。2〜4のあとの男性名詞で、アクセントは単数の属格 бра́та と同じ位置。
- там → 「あそこに」を表す副詞。
- два → 数詞。хло́пці が男性なので два。
- хло́пці → 複数の主格。2〜4のあとの男性名詞。
- Ми бу́демо там де́сять хвили́н.(私たちはそこに10分いるつもりです)
- бу́демо → бу́ти の未来形(1人称複数)。
- де́сять → 数詞。
- хвили́н → 複数の属格。5以上のあとの名詞で、語尾がなくなる形。
- Квито́к ко́штує двана́дцять гри́вень.(切符は12フリヴニャです)
- квито́к → 主格の名詞(男性・単数)。主語。
- ко́штує → ко́штувати(値段がする)の3人称単数。現在形。
- двана́дцять → 数詞。
- гри́вень → 複数の属格。5以上のあとの名詞で、語尾がなくなる形。
- Тут два́дцять одна́ кни́га.(ここに本が21冊あります)
- два́дцять → 数詞。
- одна́ → 数詞の女性の形。末位が1で、кни́га が女性。
- кни́га → 主格の名詞(女性・単数)。21のあとは単数の主格。
- Це два́дцять чоти́ри гри́вні.(これは24フリヴニャです)
- два́дцять → 数詞。
- чоти́ри → 数詞。末位が4。
- гри́вні → 単数の属格。末位が4のあとの女性名詞は、単数の属格。
練習問題
正しいものを選んでください。
- Тут( два / дві / одна́ )кни́ги.
- Там чоти́ри( мо́ре / мо́ря / моря́ ).
- Ми бу́демо там де́сять( хвили́на / хвили́ни / хвили́н ).
答え
- дві(кни́ги は女性なので、2は дві)
- мо́ря(2〜4のあとの中性名詞は単数の属格で、アクセントは主格 мо́ре と同じ)
- хвили́н(5以上のあとは複数の属格)
参考にした資料
- 中澤英彦『ニューエクスプレス ウクライナ語』白水社、2009年、p.90「1. 数詞」(1〜12の基数詞・序数詞、оди́н・одна́・одне́・одні́ と два・дві)、p.90「2. 数詞と名詞の結合 (1)」(1のあと・2〜4のあと・5〜20のあと)
- 同、p.98「1. 数詞と名詞との結合 (2)」(21以上は末位が決める)、p.94「単語力アップ 基数・序数」(1〜22の基数詞・序数詞、合成序数詞の作り方)
- 同、p.88〜89「第14課」の会話と単語表(квитки́、гри́вень、хвили́н)
- kaikki.org Ukrainian「хвили́на」「genitive plural: хвили́н」(2026-10-08閲覧)