移動動詞(іти́・ї́хати)
2026-10-08
- 文法
- 初級
移動動詞は、「行く」「来る」のように場所を移る動作を表す動詞です。ウクライナ語には、歩いて行く іти́、乗って行く ї́хати のように、移動の手段ごとに動詞があります。しかも1つの手段に、定動詞と不定動詞の2つの動詞があります。定動詞は、今どこかへ向かっている途中の移動を言い、不定動詞は、行き先や回数が決まっていない繰り返しの移動や、往復を言います。初級の範囲では、歩く・乗るの2組の現在形と過去形、行き先の言い方を押さえれば足ります。
使う場面
今まさに行き先へ向かっている移動には、定動詞を使います。定動詞が言うのは、ふつう1回きりの移動です。毎日通う、あちこち歩き回る、往復する、乗るのが好き、のように繰り返しや習慣を言うときは、不定動詞を使います。
іти́ と ї́хати は、ある場所へ向かう移動を言います。「来る」は、接頭辞の付いた прийти́・приї́хати で言い、「接頭辞+移動動詞(прийти́・пої́хати)」の記事で説明しています。
- Я йду в шко́лу.(私は学校へ向かっています)
- Ми щодня́ хо́димо в шко́лу.(私たちは毎日学校へ通っています)
作り方
2組の動詞は、語幹がまったく別なので、現在形をそれぞれ覚えます。色の付いた語尾が、人称で変わる部分です。
| 主語 | іти́(歩いて行く) | ї́хати(乗って行く) |
|---|---|---|
| я | іду́ | ї́ду |
| ти | іде́ш | ї́деш |
| він, вона́, воно́ | іде́ | ї́де |
| ми | ідемо́ | ї́демо |
| ви | ідете́ | ї́дете |
| вони́ | іду́ть | ї́дуть |
іти́ は、母音で終わる語のあとでは і が й に変わり、йти、йду になります(Я йду.)。
定動詞の語尾は、e変化動詞の現在形と同じです。e変化動詞の作り方は、現在形のe変化動詞の記事で説明しています。
不定動詞は、и変化動詞の語尾を取ります。ходи́ти の1人称単数だけ、д が дж に変わります。ї́здити は、1人称単数で ї́жджу になります。
| 主語 | ходи́ти(歩き回る) | ї́здити(乗って回る) |
|---|---|---|
| я | ходжу́ | ї́жджу |
| ти | хо́диш | ї́здиш |
| він, вона́, воно́ | хо́дить | ї́здить |
| ми | хо́димо | ї́здимо |
| ви | хо́дите | ї́здите |
| вони́ | хо́дять | ї́здять |
и変化動詞の作り方は、現在形のи変化動詞の記事で説明しています。
過去形は、不定詞から作る普通の規則に従います。ただし іти́ だけは、語幹が別の形になります。
- 主語
- 男性
- іти́
- ішо́в
- ї́хати
- ї́хав
- ходи́ти
- ходи́в
- ї́здити
- ї́здив
- 主語
- 女性
- іти́
- ішла́
- ї́хати
- ї́хала
- ходи́ти
- ходи́ла
- ї́здити
- ї́здила
- 主語
- 中性
- іти́
- ішло́
- ї́хати
- ї́хало
- ходи́ти
- ходи́ло
- ї́здити
- ї́здило
- 主語
- 複数
- іти́
- ішли́
- ї́хати
- ї́хали
- ходи́ти
- ходи́ли
- ї́здити
- ї́здили
過去形の作り方は、過去形の記事で説明しています。未来形は、бу́ду ї́хати のように、бу́ти の未来形と不定詞で作ります。未来形の記事を見てください。
行き先と場所
ウクライナ語は、移動と、とどまっている状態をはっきり分けます。行き先は、в か на のあとの対格、または до のあとの属格で言います。場所は、в か на のあとの所格で言います。
| 言いたいこと | 疑問詞 | 形 | 例 |
|---|---|---|---|
| 行き先 | куди́ | в / на + 対格 | в шко́лу |
| 行き先 | куди́ | до + 属格 | до Ки́єва |
| 場所 | де | в / на + 所格 | в мі́сті |
対格は対格の記事で、所格は所格の記事で、属格は属格の記事で説明しています。до のあとは、いつも属格です。子音で終わる語のあとで子音の前に来るときは、в の代わりに у を使います(хо́дить у парк)。
接頭辞が付いた移動動詞(прийти́ や пої́хати など)は、接頭辞+移動動詞の記事で説明しています。
日本語・英語と比べると
日本語の「行く」は、歩く・乗る・走るといった手段を言わない動詞です。ウクライナ語は、手段ごとに別の動詞を使い、さらに定動詞か不定動詞かも選びます。英語の go も手段を言いませんが、go to school every day と I am going to school now の違いは、動詞ではなく進行形と副詞で表します。ウクライナ語では、この違いを動詞の選び方で表します。
例文
各文の下に、単語の形と、なぜその形かを書きます。
- Куди́ ви йдете́?(どこへ行くところですか)
- куди́ → 「どこへ」を表す疑問詞。行き先をたずねる。
- ви → 主格の人称代名詞(2人称複数)。
- йдете́ → іти́ の2人称複数。ви が母音で終わるので і が й になる。定動詞なので、今向かっている途中。
- Я йду в шко́лу.(私は学校へ歩いて行くところです)
- йду → іти́ の1人称単数。я が母音で終わるので і が й になる。
- шко́лу → 対格。行き先を表す в のあと。
- Ми ї́демо до Ки́єва.(私たちはキーウへ乗って行くところです)
- ї́демо → ї́хати の1人称複数。
- Ки́єва → 属格。до のあと。
- Ма́ма ча́сто ї́здить до Ки́єва.(母はよくキーウへ行きます)
- ча́сто → 「よく」を表す副詞。
- ї́здить → ї́здити の3人称単数。繰り返しの移動なので不定動詞。
- Тара́с щодня́ хо́дить у парк.(タラースは毎日公園へ行きます)
- щодня́ → 「毎日」を表す副詞。
- хо́дить → ходи́ти の3人称単数。毎日なので不定動詞。
- у → в と同じ前置詞。子音で終わる語のあとで子音の前なので у。
- парк → 対格(主格と同じ形)。行き先。
- Окса́на живе́ в мі́сті, а ї́де в село́.(オクサーナは町に住んでいますが、村へ乗って行くところです)
- живе́ → жи́ти の3人称単数。
- мі́сті → 所格。場所を表す в のあと。
- ї́де → ї́хати の3人称単数。
- село́ → 対格(主格と同じ形)。行き先を表す в のあと。
- Вчо́ра ми йшли в парк.(昨日、私たちは公園へ歩いて行きました)
- вчо́ра → 「昨日」を表す副詞。
- йшли → іти́ の過去形(複数)。語幹が ішл- に変わり、母音のあとなので і が й になる。
練習問題
正しいものを選んでください。
- Ми( йду / йдемо́ / йдуть )в шко́лу.
- Тара́с щодня́( іде́ / хо́дить / ходжу́ )до па́рку.
- Ма́ма ї́де( в Ки́їв / в Ки́єві / Ки́єва ).
答え
- йдемо́(主語 ми なので -емо́)
- хо́дить(毎日なので不定動詞。主語は3人称単数)
- в Ки́їв(行き先は в のあと対格)
参考にした資料
- 中澤英彦『ニューエクスプレス ウクライナ語』白水社、2009年、p.64「1. 移動動詞」(定動詞と不定動詞、іти́ と ходи́ти の現在形、使い分け)、p.64-65「2. 移動の行き先」(в・на+対格、до+属格、куди́ と де)
- kaikki.org Ukrainian「ї́здити」(2026-10-08閲覧)現在形(ї́жджу、ї́здиш … ї́здять)と過去形(ї́здив、ї́здила)。ї́хати、іти́、ходи́ти の過去形も同じ辞書の各見出しで確認